TSUTAYAで新作・準新作DVD100円キャンペーンというのをやっていて、せっかくの機会なので滅多に借りない邦画の新作を2本借りてみた。このキャンペーンはおそらく初めてだと思う(記憶違いだったら申し訳ない)のだが、色んな映画を観るチャンスが増えるので、今後も3か月に1回くらいはやってくれないだろうか。店側からしたら、たまらんかもしれないが。
1本目は、V6の森田剛が主演の『ヒメアノ~ル』。公開当時は全く気にしていなかったものの、最近職場の先輩からオススメされたので借りてみた。これが、良い意味で予想を裏切る良作。森田剛が冷血なサイコパスを演じているのだが、役に完全にハマっている。森田剛演じる森田正一(名前がややこしい)による凄惨なバイオレンス・シーンが全編にわたって繰り広げられるのだが、まるで一時期の韓国映画のよう。いや、犯行自体の冷徹さはそれ以上かもしれない。ラスト近くのシーンは、おそらくヒッチコック『サイコ』へのオマージュだと思うのだが、どうだろう。ムロツヨシはちょっと余計だったというか、濱田岳だけでギャグは十分だったと思うのだが、この辺は原作を読んでないので何とも言えない。
もう1本は、黒沢清『クリーピー 偽りの隣人』。こちらは、観よう観ようと思っている内に都合がつかずに公開が終わってしまった作品。いやー、こちらも傑作。久々に黒沢清がやりたい放題やってる雰囲気が感じられた。去年の『岸辺の旅』でも見せつけた奇抜な演出が、130分間ひたすら続く。ロングショット、ジャンプカット、長回し、照明の使い方、明らかに俳優の裁量に任せている演出、得意のロケーション、あり得ない小道具、どこを切っても黒沢清の映画だ。「日本では自由に映画を撮れない」と何かのインタビューで語っていたと思うが、そんな中でもこんな怪作を作ってしまうのだから、この人は恐ろしい。あと、原作のwikiを読んでみたらかなり話が違っていて、おそらく映画の方は原作を下敷きにしながらも、尼崎事件をモチーフにして脚本が書かれたと思われる。(またしても)サイコパス、洗脳、そしてマインド・コントロール。『シン・ゴジラ』『君の名は。』『怒り』など2016年は邦画が豊作の年だったが、1つ選べと言われたら、個人的には迷わず今作を推す。香川照之の顔芸も、もちろん炸裂してます。
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