少し前の映画ですが。イジメ、学級崩壊、児童虐待といった社会的な問題を非常に丁寧に扱っていて、とても真摯なのだけど、リアリティにこだわりすぎて映像表現である映画としては如何なものかと思って観ていたら、高良健吾演じる岡野先生が生徒達に「宿題」を出した辺りから最後までは、本当に素晴らしかった。岡野の姉(ちなみにバツイチのシングルマザーという設定、この映画はこういう細かい設定が非常に凝っている)が「子供を可愛がれば、世界が平和になる」というようなことを言うシーンがあるが、本当にその通りだと頷く。こんな当たり前の真理が、これでもかというほど心に響く。社会的に弱い立場にある人達を、優しく包み込むようなこの映画のスタンスは、この社会のあるべき姿を提示しているのではないだろうか。逆に言えば、現実は厳しい。エンディングの岡野のように、より良い世界へ一歩を踏み出そう。
0 件のコメント:
コメントを投稿